2024年7月9日火曜日

Bluetoothスピーカーの電池を交換してみた

 こんにちは。技術部のチュータローです。

今回は、BluetoothスピーカーをDIYで修理してみました。


Bluetoothスピーカーというと、今は数千円のメーカー品から100均のものまで

様々あります。概ね、USB経由で充電して使うものが多いと思います。しばらく

使っていると電池の劣化で充電してもすぐに電池切れし、使い物にならないと

不燃ゴミに直行(電池入りなので捨てる場合はお住まいのルールに従って適切

に捨てて下さい)、というのが常かと。つまり電池交換できない使い捨て製品

ということ。私はこの「使い捨て」がどうも気に入りらず、Bluetoothスピー

カーは持っていません。


私ではなく家人が、だいぶ前に購入したBluetoothスピーカー「MIFA A1」。

某通販サイトでロングセラーとなっている、2500円程度のものです。ご多分に

漏れず電池の消耗で使い物にならなくなったとのこと。小型で防水なので使い

勝手がいいが、寿命なので捨てようかとのこと。気に入っているなら電池交換

してまた使えるようにしてみれば、ということで電池交換を試みることにしま

した。

まずは分解。ネットで検索してみましたが、この機種の分解記事は見当たらず

自分で試行錯誤するしかありません。このスピーカー、防水ということもあり

外周を見回してもネジはひとつも見当たりません。破壊的ではなく原状復帰

できるように分解するには「こじ開ける」しかありません。一般的には、ケー

スの継ぎ目の隙間から精密ドライバーでこじって開けますが、この機種はケー

スの継ぎ目がありません。でも工業製品であるからには組み立ての痕跡がある

はずです(その逆が分解手順)。こじ開けられそうなのはスピーカーの保護板

とケースとの境界。そこから精密ドライバーでこじったら、うまく取れました。

すると、現れたスピーカーパネルの四隅にネジ穴を発見!これを外してスピー

カーパネルを蓋を取るように外します。

こうしてBluetoothスピーカーの中身にアクセスできるようになりました。

肝心の電池は、ケース奥にねじ止めされています。

現れた電池は、銀色の四角くて薄い「リチウムポリマー電池」。Li-Poとか

リポとか略称がいろいろある様です。原理・性能的には市販の円筒形リチウム

イオン電池と同じですが、材料が少し異なり、自由な形状に作成できるのが

特徴とされています。ただケースが柔らかいため衝撃などで発火する恐れが

あるので、取り外ししない機器組込用途が多い様です。

確かに今のほとんどのスマホは「リチウムポリマー電池」搭載ですね。


ところで、販売中のLi-Poをネットで検索すると、電圧や電流値に加え、たい

てい6桁の型番が付いています。しかもこの型番は、同じものを見つけるのは

不可能なほど全て異なっています。この型番にはどんな意味があるのでしょ

うか。ネットで検索したところ、規格とか断定された説明は見当たらなかった

ものの、結論としては外形寸法を表す様です。自由な形状を作れるLi-Poゆえ、

外形寸法が無数にあるので、型番が無限に存在するのだと理解しました。

この型番(外形寸法)の数字には規則性があります。先頭から2桁ごとに

「厚さ」「縦」「横」の寸法を示し、「厚さ」は0.1mm単位、「縦」「横」

は1mm単位です。例えば「501230」なら、厚さ5.0mm、縦12mm、横30mm。

まれに厚さも1ミリ単位で表記される場合もある様です。例えば「032025」

なら、厚さ3mm、縦20mm、横25mm。なお、電池のケーブル部分は寸法値に

含まれていません。


それを踏まえて、Bluetoothスピーカーに搭載されている電池の仕様を

電池の表示から読み解くと、型番は「573653」なので外形寸法は、厚さ5.7

mm、縦36mm、横53mm。電圧は3.7V、電流値は1200mAhです。電圧・

電流値が同じで、外形寸法がそれと同じか限りなく近い値の電池がネットで

見つかれば、概ね電池交換できることになります。


探した結果、電圧・電流が同じで、外形寸法が「603449」のものが、某通販

サイトで見つかりました。¥1,599。Bluetoothスピーカー本体が¥2,500と

するとその半分以上もしますが・・・買ってしまいました。

先ほど触れませんでしたが、ケーブル長・コネクタ形状・極性も仕様的

には重要です。ただこれらは最悪でも既存のものを新しい電池に移植すれ

ばいいと考え、商品選びの際はこの仕様が同じかどうかは考慮しません

でした。それゆえ、作業時はケーブル接続の際に十分確認が必要です。


交換用の新しい電池が手に入ったので、電池を交換してみます。


おことわり:

 以下の内容は、個人での修理をお勧めするものではなく、この文章を

 基に修理したことにより発生した、如何なる負傷・損害等の責任は

 負いません。

 一般的に、リチウムイオン電池は発火性のある素材であるため、取り

 扱いを間違えると火や煙を吹いたり爆発すると共に、それにより周り

 の部品が破損する恐れがあります。またコネクターの脱着に失敗する

 と、コネクター自身が破損する場合もあります。作業に失敗すると、

 装置自体が再起不能となります。

 個人で機器を分解・再組立てし、また個人での修理による不具合は、

 メーカー保証を受けられませんので、そのリスクを自ら負う必要があり

 ます。


電池の両端を固定しているプレートのねじ止めを外して、電池をケース

から外します。ただしプレートを外しても電池は外せず、両面テープで

固定されています。この製品がアウトドア利用を想定している様で、固定

は頑丈になっています。電池を外すために、マイナスの精密ドライバーで

こじ開けます。電池自体は廃棄するので電池が凹むくらい力を掛けても

いいですが、大きく変形させると加熱発火する恐れがあるので、慎重に

した方がいいです。


ここで、電池から出ているケーブルの位置が新旧で上下逆なので、黄色い

テープを慎重にはがしてケーブルの出口位置を変えます。新しい電池を、

試しにケースの電池位置に置いてみると、ぴったり収まり、安心しました。

まだ元の電池が基板につながったままなので、外します。よく見ると黄色い

接着剤で固定されています。これもアウトドア対応で抜け防止かもしれま

せん。接着剤はコネクタを溶かすほどではなかったので、マイナス精密ドラ

イバーで注意深く抜きました。

元の電池が外れました。懸案のコネクタを比較すると、色は違うものの

同じ形でした。写真は撮っていませんが、電圧を図ったところコネクタ

の極性も同じでした。ケーブル長さもそのままで使えそうです。従って

ラッキーなことにケーブルは何も加工せずに新しい電池のものをそのまま

使えそうです。元の電池に付いていた保護用のウレタンスポンジの部分

は、取り外すとボロボロになり再利用できないため、代わりにビニール

テープを貼りました。


では新しい電池を組み込みます。コネクターを接続し、電池裏面に一般用

両面テープを貼って、ケースの電池位置に置いて、電池固定用のプレート

をネジで固定します。この際、ケーブルは元々収まっていた溝に入れます。


あとは、スピーカーパネルをケースにはめて、ネジで固定し、スピーカー

保護板を元の位置にはめれば、完成です。

動作確認をした結果、無事に動作しました。フル充電をすれば完成です。

今度は1回の充電で長い時間動作しました。家人には喜ばれています。

今回はLi-Po電池の知識が得られて良かったです。スマホ電池交換も、

同じ方法で交換できる気がします。


では。

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