2024年8月16日金曜日

スマホの電池を交換してみた

 こんにちは。技術部のチュータローです。

今回も電池交換ネタです。スマホの電池交換です。


皆様ご承知の通り、スマホの電池の持ちが悪くなったら、キャリアに修理に

出して電池交換してもらう(もしくは新しい機種に乗り換える)のが前提です。

電池が普通に使える時は電池のことは特に気にせずにスマホを使っていますが、

いざ電池の持ちが悪くなると、いつか必ず劣化することがわかっているのに

今のスマホはなぜ自分で簡単に交換できないのかと思ってしまいます

(そーいうもんだと割り切っている方が多いかもしれませんが)。


いつも昔の話を持ち出して申し訳ないですが、昔のガラケーは、電池の持ちが

悪くなったら、本体裏側の蓋を手で開けて、現れた電池パックを外して新しい

電池を自分で取り付けることができる構造でした。なぜ今のスマホはそうなっ

ていないのでしょうか?


これは以前から疑問に思っていたことで、せっかくの機会なのでこの際ネット

で調べてみました。総合すると、以下のような事情がある様です。


●昔のガラケーが電池交換できた理由

・「電池は消耗品だから交換できるようにすべき」という従来からの概念。

・ユーザーが電池交換したいと思ったら簡単に交換できる構造だった。

・消費電力が少ないため、小さいサイズの電池でも使用できた。

・ガラケーの厚みを極端に薄くするニーズが少なく、厚い電池が使用できた。

・液漏れや衝撃による破損を防止するため電池の包装を頑丈にする必要が

 あるが、その外装の電池でもガラケーに装着できるサイズにできた。

●昔のガラケーが電池交換できたことによる弊害

・電池を交換できるようにする仕組みにコストがかかる。

・充電が減ったら別の充電済み電池に交換するような使い方をする人は

 結果的に少なかった(電池を頻繁に交換する必要がない)。

・電池が経年劣化する前に機種交換してしまう(電池交換の必要がない)。

・電池の端子の接触不良で故障する恐れがある。

・電池収納部分からガラケー内部にホコリや水分が流入する恐れがある。

・純正でない不良な互換電池を使って火災や故障が発生する場合があった。


●今のスマホが電池交換にしなかった理由

・高性能化で消費電力が多くなったため、巨大な電池が必要となった。

・スマホの厚みをより薄くしたいニーズがあった。

・リチウムポリマー電池が実用化され、大電力が取れ自由な形状の(特に

 薄い)電池を採用することができた。

・リチウムポリマー電池自体は衝撃で発熱・発火の可能性があるため、

 利用者に触らせない前提で外装を付けない、という対策を採用した。

・電池交換しないため、交換のための仕組み(コスト)が不要で、スマホ

 密閉化により防水・防塵化が容易となった。

・リチウムポリマー電池は急速充電可能であり、充電が減っても電池交換

 ではなくこまめに充電すれば使い続けられる。

・利用者が勝手に純正でない不良な互換電池に交換しにくい(火災・故障

 を防止できる)。

・電池が劣化したらスマホの買い替えに誘導しやすい(古い通信仕様や

 サービスを早めに廃止しやすい)。

●今のスマホが電池交換できないことによる弊害

・電池劣化で交換が必要な場合、キャリア(または民間の業者)に修理

 依頼が必要。

・電池に負担がかかる使い方をすると、電池の寿命が短くなってしまう。

・交換用電池はスマホ毎に形状や電流などの仕様が異なり、キャリア以外

 の人が所定の電池を入手するにはハードルが高い。

・スマホ自体に高度な密閉化が施されているため、分解するにはハードル

 が高い。

・スマホの高性能化・高価格化、地球環境への配慮や持続可能な社会の実現

 (SDG's)に伴い、できるだけ長く使いたいニーズが増え、買い替え間隔が

 長くなっている。このため、劣化した電池を交換しやすい仕様にしてほしい

 というニーズも増えている。


前置きが長くなってしまいました。

今回は、家人が機種交換で通話しなくなったもののネット端末として使い続け

ている、2019年発売のFCNT(旧富士通)社のarrows Uという機種です。

5年も使っているとさすがに電池が劣化します。キャリアは今年12/31で修理受付

終了する様ですが、既にキャリアとは通信せず今はWiFiしか使わないこともあり、

キャリアに修理依頼する気になりませんでした。業者に修理依頼するくらいなら、

自前でできないかと思い、修理可能か調べてみました。


電池は、富士通型番「CA08723-1021」。大手通販サイトで2000~5000円程度で

販売されています。またスマホの分解方法も、ネットでいくつか紹介されており

スマホとしてはそれほど難しくない部類の機種の様です。


ということで、新品(ただし互換品)の電池を2,685円で購入し、自前で交換

することにしました。

また、スマホの分解道具として、以前タブレットの電池交換の際に購入していた

工具類を使用しました。また普通の精密ドライバーも使用します(写真なし)。

おことわり:

 以下の内容は、個人での修理をお勧めするものではなく、この文章を

 基に修理したことにより発生した、如何なる負傷・損害等の責任は

 負いません。

 一般的に、リチウムイオン電池は発火性のある素材であるため、取り

 扱いを間違えると火や煙を吹いたり爆発すると共に、それにより周り

 の部品が破損する恐れがあります。またコネクターの脱着に失敗する

 と、コネクター自身が破損する場合もあります。作業に失敗すると、

 装置自体が再起不能となります。

 個人で機器を分解・再組立てし、また個人での修理による不具合は、

 メーカー保証を受けられませんので、そのリスクを自ら負う必要があり

 ます。


では分解します。

まずスマホの裏ブタをこじ開けます。はめ込みの溝に薄い工具を突っ込み、

少しずつこじ開けていきます。裏ブタの所々に爪の部分がありますので、少し

ずつ丁寧に外します。裏ブタと本体は細長い両面テープで止めてあるので、

裏ブタを取り外した後に裏ブタと本体の淵に付着している両面テープを丁寧に

はがします。



次に、基板の上部を覆っている保護板を精密ドライバーで取り外します(ネジ

6個)。

電池を固定している透明なシールを丁寧に剥がしていきます。

電池ケーブルのコネクタを精密ドライバで浮かせるようにして外し、電池の淵

を工具で注意深く取り外していきます。特定の場所だけ力を掛けて剥がそうと

すると、電池に傷が付いて最悪発火の恐れがあるので、4辺を少しずつ浮かせ

ながら取り外します。


ということで、古い電池が無事取り外せました。


あとは、ここまでと逆の手順で、新しい電池を取り付けていきます。

なお、分解の際に裏ブタと本体の固定に使用していた両面テープは、5mm幅の

ブチルテープを以前購入していたので、それを今回も使います。これを裏ブタ

の最も淵の部分に貼ってから裏ブタを閉じます。


組み立て終わりましたら、動作確認です。電源を入れると、無事立ち上がり

ました。

この後、電池を使い切りフル充電するのを数回繰り返して、電池交換は完了

です。これにより、このスマホは電池の持ちが復活し、引き続きネットアク

セスに重宝しています。自信のない方には勧められませんが、知識のある方

は試してはいかがでしょうか。


では。

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