こんにちは。技術部のチュータローです。
今回は、充電式LED卓上ライトを修理したので紹介します。
家人から、ライトが壊れたので見てほしいとの依頼がありました。
既に10年前後使用しています。折り畳みできるZ型のもので、1面が全面ライト、
1面がデジタル日時表示、1面が机に置く面です。ライトはUSB経由で充電します。
デジタル日時表示はボタン電池で動きます。机に置く面の中身は、重りとLED用の
リチウムポリマー電池と充電制御回路が内蔵されています。LEDの裏面にLED電源
スイッチがあり、スイッチを押すとLEDが点灯し、何回か押すと明るさが変わり
ます。
故障の症状としては、電源ボタンを押さなくてもちょっとした振動で電源が入っ
たり切れたりして、ライトとして使い物にならない状態です。元々このスイッチは
押すとカチッと押しごたえ(マウスボタンみたいな)があったのですが、この段階
では押しごたえがありません。恐らくこの電源ボタンの故障と思われるので、この
付近を分解してみました。
分解手段を探します。LEDの面のどこにもネジが見当たらず、白色の筐体は一体型
なので、それらは分解手段にはなりません。スイッチ周りに金属光沢の飾り板が
付いており、まずはこれを外します。板の周りにマイナスの精密ドライバーを刺し
て慎重にこじ開けると、一般用両面テープで張り付けられた飾り板が外れました。
スイッチの部品はまだ露出していませんが、飾り板の下に隠れていたネジが現れ
ました。これを外して、スイッチやLEDの取り付け基板にアクセスできました。
スイッチ部分には変色したマスキングテープが基板に貼られており、丸い何かを
固定していました。テープを剥がすと円形の金属が現れ、それは簡単に基板から
外れました。
円形金属は、断面が平らではなくお椀の蓋みたいに僅かにカップ状になってい
ます。このカップを押すと金属が変形して平らになり、基板上の接点がつながる
という原始的な仕組みのスイッチでした(接点が繋がるのは一瞬ですが、回路の
先のICがそれを検出してLEDに電流を流し続けます)。
タクトスイッチのようなスイッチ専用部品だったらもっとスイッチ寿命が長い
はずだし、金属を固定していたのがマスキングテープという点も踏まえると、
安く作るために手抜きしたように思えます。
ちなみに、基板の接点の上に金属を押し付けてスイッチとして利用するのは、
テレビなどのリモコンでよく使われています。スイッチの厚さを抑えられ、
たくさんのスイッチを安価に実現できます。
話しをLEDランプに戻します。勝手にスイッチが入り切りするのは、円形金属
が経年変化でカップ形状が平らになって、押さないのに勝手に接点が接触して
しまうものと思われます。円形金属をカップ形状に復活させるには、適切な
カップ形状の押し型に円形金属を押し付けて、元の形に復活させればいいです
が、そんな型は持ち合わせていません。そこで今回は原始的に、金属を半分に
分ける位置で僅かに折り曲げて「く」の字状に変形させてみました。これでも、
押さなければ接点はつながらず、押せば金属が平らになって接点が繋がります。
指で慎重に半分に折り曲げるつもりで僅かに変形させました。
これを基板上の端子の上に置き、新しいマスキングテープで固定します。
この基板をケースに戻し、ボタンと板を乗せてねじ止めします。一般用の両面
テープを内側の板に貼り付けて、飾り板を乗せれば、完成です。
USB経由で充電して、スイッチを押すとLEDが点灯しました。スイッチのクリック
感もうまく復活しています。
ということで、今回は手抜き設計(?)ゆえに原始的な手直しでうまくLEDライト
が修理できました。また使えるようになり家人にも喜ばれました。今後の修理
に役立てばいいと思いました。
では。
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