こんにちは。技術部のチュータローです。
今回は、タブレットの電池を交換したので紹介します。
家人から、中古で買ったタブレットの様子がおかしいので見てほしいとの依頼があり
ました。
このタブレットは、家人が今年オークションで¥5000くらいで入手したもので、
中国TECLAST社製P30Tという10型ディスプレイのAndroid14搭載です。新品で買うと
2万円弱で買えるエントリークラスのタブレットです。ネットサーフィンや動画
閲覧程度なら十分なレベルということで購入したとのこと。購入直後は普通に動
いていたが、間もなく突然電源が落ち、再起動もできなくなったとのこと。一方、
USBを繋いで充電しながら電源を入れると、普通に起動し使えます。充電容量が100
%近くになったところでUSBを抜くと、直ちに電源が落ち起動できません。以降、
USBをつないだ時だけ使用できる状態が続いています。
この段階で考えられる原因として考えられるのは、内蔵電池の不具合です。中古
で入手したので電池自体が劣化していたかもしれません。また充電が100%近いの
に電池だけでは動かないのは、電池に内蔵されている充電管理回路が壊れている
可能性もあります。それ以外の原因としては、タブレット本体側の回路が壊れて
いる、内蔵コネクタ等の接触不良、といった可能性が考えられます。こうなると
自分で修理できる可能性はかなり低くなります。
ということで、まずは問題の原因の可能性が最も高い、電池交換をしてみること
にしました。
この機種用の電池は、ネットで探すと、あまり数は多くないものの¥3000~6000
程度で販売されています。正規品ではなく互換品ですが。約¥3000のものを注文
し入手しました。¥5000の本体に¥3000の電池はあまりコスパが良くないですが、
それで直るならまあいいか、ということで。
それでは、タブレットを分解して電池にアクセスします。既に以前何機種か分解
して電池交換した経験があるので、要領はだいたい想像できます。その上でネッ
トでこの機種の分解を紹介した動画がいくつかあったので、それを見て事前に情
報を入手しておきます。それによるとこの機種は、裏ブタと本体の固定を、一般
的な両面テープではなく爪で実現しているとのこと。爪固定は両面テープ固定
より接着力が高い代わりに分解しにくいので、もしかすると電池交換することは
あまり考慮していないのかもしれません。何しろ安価な機種ですから、電池寿命
が買い替え時期、と割り切った設計思想かもしれません。
分解の第一歩は、裏ブタと本体を切り離すことです。通常、ちょっとした隙間から
工具でこじって開けるのですが、この機種は本体と裏ブタの間に隙間は全くなく、
本体を曲げたり引っ張ったりしても隙間は生じません。爪でがっちりと固定され
ています。仕方なく、傷が付いてしまいますが、接合力が比較的低いスイッチ
付近の接合部に一番薄いマイナスの精密ドライバーを無理やり突っ込んで、隙間
を作り、ここを起点に少しずつ隙間を広げて爪固定を解除していって、裏ブタと
本体を切り離しました。ここが最も難しい作業です。
こうして電池が現れました。3.8V6000mAHのリチウムポリマー電池です。この電圧
はリチウムポリマー電池の単セル電圧そのままなので、コンピューターの電源と
してはかなり低いですね。長方形の電池を2つ並べ並列接続して容量を稼いでいる
様です。コストダウンのためとはいえ、この低電圧仕様では、電圧管理が難しく、
動作不安定の一要因のような気がします。
電池は、他の一般的な機種と同様、本体に両面テープで固定されていますので、
こじって力技で切り離すことになります。その前に、電池に関連するコネクタ類
を切り離します。
電池を固定している両面テープはかなり強力です。手持ちのパネル剥がし工具を
使って、力ずくかつ丁寧に両面テープを剥がして電池を分離します。両面テープ
付近に薄いフレキシブルケーブルが通っているので、それを傷付けないように、
電池を浮かせてから、伸びた粘着剤を切り離していきます。こうして何とか電池
を分離できました。本体に残った粘着剤をきれいに剥がしておきます。剥がし工
具で剥がす際に、本体に傷が付いてしまいました。傷が付いたのはディスプレイ
の裏板です。後でわかったのですが表示に問題なかったので、そのままにします。
注意:不要になったリチウムイオン(ポリマー)電池は、通常のごみとして捨て
てはいけません。変形すると発火するため、通常のごみ収集で火災が多発し各地
で問題となっています。ほとんどの自治体がリチウムイオン電池を区別して回収
しているので、必ず指定された方法で排出して下さい。
電池を外した際に、フレキシブルケーブルを引っ張ってしまい、コネクタから
外れてしまいましたので、再取り付けします。コネクタ固定に手間取り、苦労し
ました。ちゃんと取り付けないと画面表示できず、下手すると再起不能となりま
す。
ここで新しい電池を固定せずにコネクタを仮接続して、タブレットの電源を入れ
て動作確認します。嬉しいことに、起動しました!
動作確認したらシャットダウンして電池を抜きます。電池固定のため、一般用の
両面テープを本体に貼り、先に電池のコネクタを取り付けてから電池を所定位置
に置いて固定します。
最後に、裏ブタを本体に取り付けます。すべての爪が確実に噛むように圧着します。
改めて起動して動作確認します。きちんと動作しました。新しい電池に元々入って
いた量がちゃんと表示されています。再起動してもきちんと動作します。充電器を
取り付けると、充電表示が出ました。元の問題が解決し動作するようになりました。
ということで、電池交換により修理が成功しました。家人も喜んでいます。今後
このタブレットは活躍することでしょう。めでたしめでたし。私としても、ひとつ
経験値が増えました。
では。
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